《UCDA》一般社団法人 ユニバーサル コミュニケーション デザイン協会《UCDA》一般社団法人 ユニバーサル コミュニケーション デザイン協会
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<開発者座談会 ①UCDAフォント開発の背景>
送り手・作り手・受け手の立場から見やすさ・わかりやすさを追求

UCDAフォントができるまで

視覚コミュニケーションの基本的要素である文字を人間中心設計により開発し、多くの生活者に貢献する。2年にわたって独自の科学的な検証を重ねながら開発された「UCDAフォント」の開発ストーリーと背景などについて、開発にたずさわったメンバーが3回にわたって語り合います。第1回はUCDAフォント開発の背景です。

 

 

①UCDAフォント開発の背景

UDフォントに万能はない。
用途に応じて作るべきではないか

——高齢者や視覚障害者にも読みやすい書体として作られた「UDフォント」は書体メーカー各社からすでに発売されています。あえてUCDAがUDフォント開発に取り組んだ理由は何でしょう。
八杉:金融機関の帳票をいかに見やすくするかについては、いちばん大きな構成要素である文字をなんとかしなくてはと、当協会発足当初から考えていました。しかし、出回っているUDフォントのどれが本当にユニバーサルなのか、ひとつのUDフォントであらゆる用途に使えるのかなど、素朴な疑問がありました。そのなかで、家電製品のリモコンなど筐体表示に特化して作られたイワタUDのように、帳票類に特化したフォントが作れないかと考えたわけです。UCDAは情報の送り手、作り手、受け手の三者がそれぞれの立場から見やすさ・わかりやすさを追求するのが基本スタンス。書体デザイナーや書体メーカーだけでなく、人間工学者やユーザーにも参加してもらって開発できないかと。
矢口:実はUCDAからフォントを作りたいと言われる以前に、研究室でも見やすいフォント作成に取り組んでいたんです。きっかけは私自身が老眼になったこと(笑)。ただ、日本語は文字数が多く、とても研究室レベルではできません。たまたま新疆ウイグル自治区からの留学生がいたので、基本文字だと32(全体でも124)文字で構成されるウイグル文字で研究を進めていました。そのときに、後でお話しするIPOテストのベースになるような、わざと文字を太くしたり、かすれさせたりして読み取る試みをしていたのをUCDAにお見せしたんですよ。
八杉:当時、UCDAアワードの準備で生命保険会社の帳票を研究していたのですが、その中で理事や運営会員の方々からもフォントに関する問題点が数多く出されていました。理事長や理事の皆さんからの、「これはUCDAが挑戦しなくてはいけないのではないか」という声をいただき、書体デザイナーの竹下さんに会いに行ったというわけです。

研究室で試作したウイグル文字フォント(上段)と、同フォントのかすれ状態(中段),つぶれ状態(下段)のイメージ